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賃貸マンションのベランダの鳩糞被害の責任の所在は?
対応責任は借主(入居者)負担になるケースがほとんどです
この問題は当社でも年間で何件かはお客様と議論になります(笑)
事例と傾向としては下記のようなケースで、貸主責任(負担)となるか管理会社・オーナー責任(負担)で別れました事例を紹介します。
【管理会社・オーナー負担で対応してもらえるケース】
入居した際にすでにベランダに鳩が住みついていた。
入居した際にすでにベランダが鳩糞で汚れていた。
隣の部屋のベランダに鳩が営巣し苦情を入れたが放置され続けた
マンション全体・共用部にも鳩が営巣したり常時寄りついている
上記条件+マンション管理会社が大手(上場企業等、知名度が高い)である場合
先に管理会社・オーナー側で対応してくれる事例を紹介しましたが、賃貸契約後に入居した際にはまずベランダの状況を確認するということが必要です。
鳩等の鳥の糞がいくつか見受けられたら入居後即座に管理会社・オーナーに伝える、できれば写真を撮っておくのが良いでしょう。
また後の祭りになるかもしれませんが、そもそもの入居物件を探しているお部屋選びの段階で、マンションの他の部屋や共用部(吹き抜け廊下、非常階段、駐輪場屋根等)に鳩がとまっていないかを確認して、まあまあの数の鳩がマンション建屋の至る所に見受けられるようであればそのマンションのお部屋を契約するのはやめておいた方がよいでしょう。
借主(居住者)責任で対応を迫られるケース
鳩に餌を与えていた
入居後、一定期間経過してから鳩糞の汚損を受けた場合
長期間不在時に鳩が営巣してしまった。気づかなかった。
鳩の寄りつきに気づいていたが何の対策もしてこなかった
まあ「鳩に餌を与えていた」というような場合は論外(笑)で原状回復(元の綺麗な状態に戻す)責任を居住者が求められてもいたしかないところでしょう。
ほとんどのケースは「気づいたらいつの間にか鳩・鳩糞がベランダに…」というケースでしょう。よくあるのが「冬の間はカーテンを閉め切っていて洗濯物も部屋干しでベランダ窓を開けて外に出ることもなかったが、春になって窓を開けてベランダに出てみてびっくり!」というケースです。
実際にベランダの鳩糞清掃の依頼が多くなるのは4~5月にかけて増えます。
そして、借主・居住者負担での対応を求められるかどうか?管理会社・オーナーに対応してもらえるか?または費用負担してもらえるかどうか?の大きな分かれ目になるのは、上記の最後の「鳩の寄りつきに気づいて何らかの対策をしていたかどうか?」にかかってきます。
借主が費用負担を回避するために重要なこと
先に述べたように、ほとんどのケースは「入居後いつの間にかベランダに鳩が…鳩糞の汚れが…」というケースかと思います。
ここで、
「鳩が営巣して卵から雛が…」
「ベランダが鳩糞で足の踏み場もないくらい汚れている」
こうなると借主である居住者がそこまでの状況を気づかなかったとはいえ看過していた・放置していた、ということになり対策費用負担を回避するのは非常に難しいと言えます。
「たまにベランダの手すりに鳩がとまっている」
「ベランダに糞がぽつぽつ落ちているのを見かける」
といった初期の段階であれば、対応によっては費用負担を回避できる場合があります。具体的には下記の対応をすることを推奨します。
①気づいたらまず管理会社・オーナーに報告・相談
重要なのは気づいた時点でまずは報告・相談することです。ここで大事なのはちゃんと報告していたという実績作りです。
なので、できれば電話だけでなくファックスやメール、書面を郵送する等の履歴を残す形での報告がベストです。
しかし、この時点で「わかりましたこちらで対応します」と動いてくれる管理会社・オーナーがいたら奇跡的だと思ってください。
この時点では、まず間違いなく「居住者様でなんらかの対策をしてください」とゼロ回答をされるケースがほとんどでしょう。
②なんらかの対策をしていることを報告
「ベランダに鳩除けグッズ(CD、目玉パネル、反射板)を置いてみた」
「ホームセンターで買った鳩除けの薬剤を置いてみた」
といった、まずは低予算でできる対策をしてみてください。対策したこと、またその結果をまた管理会社・オーナーさんに報告してみてください。
なかなか上記の低予算の対策では効果が期待されないのが実際なので、おそらくはまた鳩が寄り付いてしまうでしょう。
「対策してみましたがそれでもやっぱり鳩が来てしまうんですがどうしたらいいですか?」
と管理会社・オーナーに相談している感じで再度報告してみてください。
この時点で良心的な管理会社・オーナーが「ならばこちらで対応しましょう」と動いてくれるところは無いことないです。
(それでも確率的には1割程度の低い確率だと思ってください)
③交渉に有利になる情報収集
例えば、
- マンション全体の状況確認
「自分の部屋のベランダだけでなく、マンション全体の至る所(特に空き部屋や共用部)に鳩がとまっている」
「両隣の部屋、上下階の部屋も鳩の寄り付き、営巣、糞害が発生している」
という状況あれば「自分の部屋だけ対策をしても限界がある」ということの材料になります。
- 管理会社の企業情報を調べる
管理会社が大手で、例えば上場していたり、地元では名の通った企業だったり、テレビ・ラジオ等でCMをうっていたり、地元情報誌やWeb上のいろんなところに広告を出していたりするような企業であれば誠意ある対応をしてくれる可能性が高いです。
(ただそれでも二つ返事で対応してくれることはまず無いと思ってください)
- オーナー(家主)を調べる
オーナーが個人だとそれ以上は調べようがないですし、交渉の余地は少ないと思ってください。
逆にオーナーが法人企業でそれなりの大手であれば誠意ある対応をしてくれる可能性が高いです。
(くどいようですが、それでも二つ返事で対応してくれることはまず無いと思ってください)
④最終交渉
上記の①~③を交渉材料にして最終交渉してみましょう。
交渉ですのである程度の話術は求められます。
管理会社・オ―ナー企業が大手だから安心して契約した
私、気管支が弱いんです…(病気になったら責任取ってくれるのか?)
個人の対応では限界があるではないか?
何度も報告、相談したのに誠意ある対応をしてくれなかった
等々、交渉材料を駆使して臨んで、費用負担回避の確率を上げてください。
留意点
あくまでも上記は交渉を前提とした交渉材料を揃えるための対応です。すんなりと「管理会社・オーナーさんで何とかしてください」「はいわかりました」とはいかないのが現実ですのでどうしても「交渉」という労力は必要になると思ってください。
裁判まで起こせば別ですが、現実的には力関係としてどうしても居住者・退去者の方が弱いので、上記の対応で必ず費用負担が回避できるというわけではありません。少しでも交渉を有利にするための方策が上記だと捉えてください。
また、鳩や糞害が生理的にも精神的にも衛生面でも看過できない場合は、費用負担の交渉を待たず、費用をかけてでも清掃・消毒や鳩除けネットの設置等の確実な対策を優先した方が良い場合もございます。